医薬品製造の基礎レポート

製造の知識 レポート一覧

医薬品開発の流れ

 医薬品開発(新薬)の流れを次に示す。 基礎研究 医薬品開発の最初の段階では、疾患や健康問題に関連する基礎的な科学的研究が行われる。 @疾患のメカニズムの解明 基礎研究では、特定の疾患や健康問題の発症メカニズムや病態生理学を理解するための研究が行われる。 これには細胞レベルや分子レベルでの生物学的プ...

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医薬品製造(原薬)

 医薬品製造における原薬(有効成分)の製造プロセスは、一般的に以下の手順に従う。 原料の調達 原薬の製造プロセスは、まず原料となる化学物質や合成物を調達することから始まる。 これらの原料は高品質で純度が高いものである必要がある。合成法の選択 原薬の製造には、有機合成化学の手法が使用される。 化学合成...

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医薬品製造(固形剤)

 医薬品の固形剤(錠剤、カプセルなど)の製造プロセスは、以下の手順に基づいて行われる。 原料の調達 固形剤の製造には、有効成分である原薬や製剤に使用される添加剤など、必要な原料を調達する。粉砕と混合、湿潤化と造粒 原薬と添加剤を粉砕し、粉末状にして均一に混合する。 この段階で、適切な剤型(錠剤、カプ...

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医薬品製造(液剤)

 医薬品の液剤を製造するプロセスは、以下の手順に基づいて行われる。 原料の調達 液剤製造に必要な原料、例えば有効成分、溶媒、添加剤などを調達する。 これらの原料は高品質で、純度が高いものである必要がある。混合と溶解 原料を所定の割合で混合し、溶解させる。 混合は均一な液体を得るために行われ、溶解は原...

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バイオ医薬品製造の流れ

 従来の医薬品は、主に化学合成によって生産される低分子化合物である。 それに対しバイオ医薬品は、細胞培養や遺伝子組換え技術などのバイオテクノロジーを応用して生産される。  バイオ医薬品の主な製造工程は、次のように4つのステップからなる。遺伝子を大腸菌・酵母・動物細胞に導入する 遺伝子組み換え技術を用...

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包装作業の流れ

 製品の包装は次のような流れで行われる。 手順書準備 まず、製品包装に関わる手順書を準備する。  必要に応じて製造指図書と製造記録書や包装材料、ラベル、包装作業手順を記載したSOP(標準作業手順書)を準備し、作業現場に常置する。製品ラベル準備 次に、製品および製品ラベルを準備する。 ラベルの必要枚数...

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製品出荷までの流れ

 製品の出荷は、次のような流れで行われる。 仮保管 包装工程で包装された製品に試験中のラベルを貼り、仮保管する。 仮保管は、試験に合格して正式に受け入れられるまでの一時的な保管である。 この仮保管場所は本保管場所と明確に区別する。部屋、棚、場所を変えることが望ましい。 さらに、区画棒、色分け、表示分...

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医薬品の製造装置メーカー

 医薬品製造プロセスで使用される装置は多岐にわたるが、一般的な装置と世界的メーカーの例を以下に挙げる。 ただし、製品や製造プロセスによって必要な装置は異なるため、特定の医薬品やプロセスに適した装置を選択することが重要である。「混合機/ミキサー」装置メーカー 様々な原料を均一に混合するために使用される...

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錠剤の製造装置

 ここでは、一例として株式会社パウレック製の粉粒体装置を示す。 錠剤の製造工程に合わせた装置が必要となる。 「粉砕・整粒(乾式・湿式)、乳化・分散(湿式)」装置一例 原料や造粒物を微細化、凝集を解す(解砕)、整粒また、液中での固形物の粉砕・分散、あるいは、油と水を乳化する工程である。 【JETMIL...

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製造部門の仕事

製造部門の仕事 製造部門は、製造ラインや設備を操作し、医薬品の実際の製造プロセスを監視・管理する。 これには原材料の投入、混合、反応、分離、精製、充填、包装などの工程が含まれる。  製品を製造するため、次に示すような多岐の項目を実施する。 <製造部門の仕事> ・製造プロセスの計画と設計 ・SOPを遵...

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製造指図書と製造記録書

 製造指図書と製造記録書は別の用紙にするのが原則である。両者の意味するもの、管理者、承認者が異なるからである。 製造指図書原本と製造指図書 製造指図書原本は標準手順となり、製造指図書はそれを実際の製造プロセスに適用し、製品に関する正確な情報を提供する。製造指図書原本(Master Productio...

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記録書の照査と承認

ロット記録書の照査と承認 製造記録書に試験管理記録書、包装記録書、ラベル記録書等、当該ロットに関係する製造および試験の記録すべてを「ロット記録書」という。  ロット記録書の照査、承認は製品の出荷判定につながるもので大変重要な作業である。 工程記録書や中間体の製造記録書は、照査を製造部門に委託すること...

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製造工程の管理と注意事項

 ここでは、製造工程の管理と注意事項を下記にまとめる。原材料の取扱い 医薬品の原材料は、適切な条件下で取扱う必要がある。  原料の秤量・計量時には、その原料に悪影響を及ぼさない適切な温度・湿度、微生物管理下で取扱う。 また、異物混入や汚染を防ぐための措置が講じられる。 原材料は正確なラベルが付けられ...

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SOPとは!?

SOPとは!? SOPとは「Standard Operating Procedures」の略で、日本語にすると、標準作業手順書と呼ばれる。 SOPは、特定の作業やプロセスを標準化し、従業員が安全かつ一貫した方法で業務を実行できるようにするための指南書である。  すでに確立した製品仕様と同等の品質の製...

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医薬品製造における水の必要性と種類

医薬品製造における水の必要性 医薬品製造における水は、品質の一貫性と製品の安全性を確保するために欠かせないものであり、国際的には各種規格やガイドラインに基づいて水質基準が設定されている。 以下に、医薬品製造における水の必要性についてのポイントを挙げる。【医薬品製造における水の必要性】製造プロセスへの...

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製薬用水の品質モニタリング

製薬用水の品質モニタリング 製薬用水の品質モニタリングは、日本薬局方のガイドラインに示され、次のような検査項目がある。  ・導電率 ・TOC(全有機炭素) ・化学物質管理 ・生菌数 ・エンドトキシン ・微粒子数導電率モニタリング 医薬品を製造する際、原材料としての水にも不純物の少ない純水が用いられる...

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製薬用水を製造する設備

製薬用水を製造する設備 製薬用水設備は規格に合致する水準まで、原水に含まれる不純物を取り除くための一連の装置群(トータルシステム)である。このため、原水の水質や装置の能力によって設備構成が変わってくる。 原水の水質は設備構成を決定する上で極めて重要である。設計に際しては、季節変動を含めた詳細な水質デ...

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医薬品製造における洗浄の必要性と種類

設備洗浄の必要性 医薬品製造において、「設備の洗浄」は品質管理と製造規範を満たすために欠かせないプロセスである。 以下に、医薬品製造における設備の洗浄についてのポイントを挙げる。【設備洗浄の必要性】交差汚染の防止複数の製品が同じ設備を使用する場合、前回の製造で残留した成分や微生物が新しい製品に影響を...

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CIPとSIPとは!?

CIPとSIPとは!? 医薬品の製造設備は、異物の混入や汚染(前回のバッチの成分混入を含む)を防ぎ、清浄に保つ必要がある。 各バッチを製造した後は、製造に用いる機器を十分に洗浄し、必要に応じて消毒や滅菌を行う。  特に、生産機器を分解せずに定置状態で洗浄することをCIP(Cleaning in Pl...

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