医薬品製造に関わる基礎知識をまとめて紹介します。医薬品開発の流れとは?医薬品をつくる工程で大切なことをまとめました。
医薬品製造プロセスでは多岐にわたる装置が用いられるが、ここでは代表的な装置カテゴリーと、世界的および日本国内の主要メーカーを挙げる。
なお、製造する医薬品のモダリティ(低分子、バイオ等)や製法により最適な設備は異なるため、各プロセスに合致した選定が肝要である。
粉体や流体など、複数の原料を均一に混合・分散させるための工程で使用される。
代表例として、リボンミキサー、コーンミキサー、V型混合機、高剪断ミキサーなどが挙げられる。
| メーカー名:本拠地 | 特徴 |
|---|---|
| GEA(GEA Group AG):ドイツ | リボン、コーン、プラネタリーなど多様な方式をラインナップし、固形製剤から液体製剤まで幅広くカバーする。高度なプロセス制御と封じ込め技術(コンテインメント)に強みを持つ。 |
| IKA(IKA Werke GmbH & Co. KG):ドイツ | ラボスケールから生産機までシームレスな対応が可能。乳化、分散、粉砕技術に優れ、特に半固形製剤や液剤のプロセスで高い信頼性を誇る。 |
| Silverson Machines:イギリス | ハイシア(高剪断)ミキサーの世界的リーダー。高速回転するローター/ステーター構造により、難溶解性物質の分散や乳化時間を大幅に短縮する。 |
| パウレック(POWREX):日本 | 造粒・乾燥・混合技術の国内トップランナー。特に流動層造粒や撹拌造粒機において、高い技術力と実績を持ち、多くの製薬企業で標準機として採用されている。 |
| 佐竹マルチミクス:日本 | 撹拌機の専門メーカー。「サタケ」ブランドの撹拌技術は、培養タンクや調製タンクにおいて高いシェアを誇り、バイオ医薬品製造の重要工程を支えている。 |
造粒後の湿潤粉末からの溶媒除去や、液体の粉末化(固形化)を担う工程である。
流動層乾燥機、凍結乾燥機(リオフィライザー)、スプレードライヤーなどが一般的である。
| メーカー名:本拠地 | 特徴 |
|---|---|
| GEA(GEA Group AG):ドイツ | 流動層乾燥、スプレードライ、凍結乾燥のすべてにおいて業界標準機を提供。特にスプレードライ技術は、難溶性薬物の可溶化技術としても評価が高い。 |
| SP Scientific:アメリカ | 「VirTis」や「Hull」ブランドを擁し、特にバイオ医薬品向けの凍結乾燥技術に強みを持つ。研究開発用から生産用まで幅広いスケールに対応。 |
| 大川原製作所:日本 | スプレードライヤー(噴霧乾燥機)のパイオニア。微粒子設計技術に優れ、吸入薬や特殊製剤の粒子制御において独自のノウハウを有している。 |
| 共和真空技術:日本 | 医薬品用凍結乾燥機の専門メーカー。無菌製剤製造ラインにおける自動搬入出システムとの連携や、厳密な温度制御技術に定評がある。 |
無菌性保証や純度確保のため、不純物、微粒子、微生物を除去する重要な工程である。
デプスフィルター、メンブレンフィルター、クロスフローろ過システムなどが用いられる。
| メーカー名:本拠地 | 特徴 |
|---|---|
| Pall Corporation:アメリカ | バイオ医薬品製造におけるろ過・分離技術の巨人。除菌ろ過、ウイルス除去、タンジェンシャルフローろ過(TFF)など、精製工程の核心となるソリューションを提供。 |
| Merck Millipore(MilliporeSigma):ドイツ/アメリカ | ろ過および精製分野のリーディングカンパニー。Durapore等のメンブレン技術は信頼性が高く、アップストリームからダウンストリームまで包括的な製品群を持つ。 |
| Sartorius(Sartorius AG):ドイツ | シングルユース技術とろ過技術の融合に強み。バイオプロセスの効率化を支援するフィルターカプセルや統合的な流体管理システムを展開している。 |
| 旭化成メディカル:日本 | ウイルス除去フィルター「プラノバ(Planova)」は、バイオ医薬品の安全性確保における「最後の砦」として、世界中の製薬プロセスで不可欠な存在となっている。 |
最終製品を容器(PTP、バイアル、シリンジ等)に充填・密封し、表示を行う工程。
充填機、ブリスター包装機、カートナー、ラベラーなどが含まれ、高度な検査機能も求められる。
| メーカー名:本拠地 | 特徴 |
|---|---|
| Syntegon Technology(旧 Bosch):ドイツ | 旧ボッシュの包装機械部門。無菌充填(アイソレーター技術)やPTP包装において世界最高水準の技術を有し、医薬品安全性への寄与度が極めて高い。 |
| IMA(IMA Industria Macchine Automatiche S.p.A.):イタリア | 固形剤の充填から最終包装まで一貫したライン構築が可能。高速かつ柔軟な切り替え機構を持ち、多様な包装形態に対応する。 |
| CKD:日本 | PTP包装機(ブリスター包装)において国内トップシェアを誇る。日本の厳しい品質基準に対応した検査機能や、ユーザビリティの高い設計が特徴。 |
| 澁谷工業(Shibuya):日本 | 無菌充填システムの世界的リーダー。アイソレーター技術や除染技術を統合した充填ラインは、高薬理活性製剤や再生医療等製品の製造でも高く評価されている。 |
| 大森機械工業:日本 | PTP包装後のピロー包装やカートナーなどの二次包装分野に強い。高速かつ安定した包装ライン構築により、生産効率の向上に貢献している。 |
微生物を死滅・除去し、無菌性を担保するための必須工程である。
高圧蒸気滅菌(オートクレーブ)、EOG滅菌、VHP(過酸化水素蒸気)滅菌などが選択される。
| メーカー名:本拠地 | 特徴 |
|---|---|
| STERIS Corporation:アメリカ | 感染防止および滅菌技術の世界的リーダー。VHP滅菌システムや洗浄滅菌装置において業界標準を確立しており、バリデーションサポートも充実している。 |
| Getinge(Getinge AB):スウェーデン | GMP対応の洗浄機および滅菌器で高いシェアを持つ。アイソレーターシステムと統合された滅菌プロセスなど、無菌操作エリア(APA)向けのソリューションに強い。 |
| Fedegari Group:イタリア | オートクレーブの最高峰ブランドの一つ。圧力・温度制御の精度が極めて高く、飽和蒸気、空気混合蒸気など、製品特性に合わせた繊細な滅菌サイクル構築が可能。 |
| サクラ精機:日本 | 医療および産業用洗浄・滅菌装置の国内大手。豊富な実績に基づき、日本のGMP要件に適合した信頼性の高い大型オートクレーブや洗浄機を提供している。 |
原材料の受け入れから最終製品の出荷判定まで、品質管理(QC)を支える機器群である。
HPLC(高速液体クロマトグラフィー)、GC、質量分析計(MS)などが主力となる。
| メーカー名:本拠地 | 特徴 |
|---|---|
| Agilent Technologies:アメリカ | GC(ガスクロ)およびHPLC分野で圧倒的な信頼性を持つ。分析機器本体のみならず、カラムや消耗品、データ管理ソフトウェア(CDS)までトータルで提供。 |
| Thermo Fisher Scientific:アメリカ | 科学機器業界の最大手。「Orbitrap」質量分析計など、最先端の研究開発からQCラボまで、あらゆる分析ニーズに応えるポートフォリオを持つ。 |
| 島津製作所(Shimadzu):日本 | 世界に誇る日本の分析機器メーカー。HPLC「i-Series」など、ユーザビリティと高精度を両立した装置を展開。FDA規制対応のデータ完全性(Data Integrity)支援も強力。 |
| 日立ハイテク:日本 | 液体クロマトグラフィーや分光光度計などの分析機器に加え、電子顕微鏡技術を応用した微粒子解析などでも強みを発揮している。 |
| 堀場製作所(HORIBA):日本 | 粒子径分布測定装置(レーザー回折・散乱法)において世界的なシェアを持つ。製剤の品質に直結する粒度管理において不可欠な装置を提供。 |
従来のバッチ生産方式に代わり、原料投入から最終製品までを中断なく行う次世代の生産システム。
QbD(Quality by Design)の実践、リードタイム短縮、設置スペース削減などのメリットがある。
| メーカー名:本拠地 | 特徴 |
|---|---|
| GEA(GEA Group AG):ドイツ | 連続生産システム「ConsiGma」により、開発から商用生産へのスケールアップ課題を解消。造粒・乾燥・打錠を連続的に行い、リアルタイムでの品質モニタリングを実現する。 |
| Thermo Fisher Scientific:アメリカ | 二軸スクリュー造粒技術(Twin Screw Granulation)を応用した連続生産ラインを提供。プロセス分析技術(PAT)と組み合わせ、効率的な製剤開発と生産を支援する。 |
| フロイント産業:日本 | 造粒・コーティング技術のパイオニア。連続生産システム「Granuformer」など、独自の技術で製剤の連続化プロセスを提案している。 |