SOPとは「Standard Operating Procedures」の略で、日本語にすると、標準作業手順書と呼ばれる。
SOPは、特定の作業やプロセスを標準化し、従業員が安全かつ一貫した方法で業務を実行できるようにするための指南書である。
すでに確立した製品仕様と同等の品質の製品を恒常的に製造することを目的に、作業が常に同じように実施されることを保証するために文書化され、承認された手順を指す。
SOPの内容については、各社独自の手順で良いとされている。SOPは現場の実態作業を詳しく書いた書類といえる。
SOPは、その文書が何を達成するためのものであるかを明確にする。
目的には、標準化された手順に従うことで、品質の維持、効率性の向上、作業の安全性確保などが含まれる。
範囲には、文書が適用される具体的な作業やプロセスの範囲を定義する。
SOP作成書類には、次の点が求められる。
・わかりやすい
・必要なことがすべて書かれている
・作業ごとにある
・すべての作業にある
・すぐ見ることができる
・最新である
SOPの中心的な部分は、具体的な作業やプロセスに関する手順の詳細な記述である。
SOP作成においては、標準化する予定の製造や品質管理などの工程を、一定範囲内の条件・手順で繰り返し実施するなどして、製造条件・手順の堅牢性が確認される必要がある。
SOPは品質管理の一環として位置づけられ、品質の確保や監査に備えるための手段となる。
従業員はSOPに基づいて作業を行い、品質基準を満たすことが求められる。
医薬品製造はSOPに従って実施するため、あらゆる作業に必要である。
そして、SOPは勝手に内容を変更してはならない。
改善で作業を変更したい場合でも、改善案が製品品質に影響しないことを確認して、工程責任者、製造責任者等の承認を得てSOPを改訂する。
すなわち、良かれと思っても自分の判断で作業を勝手に変えてはいけない。
さらに、SOPがない作業は実行できない。つまり、通常発生しない作業にもSOPが必要である。
SOPは製造プロセス、設備の操作、品質管理、安全対策、規制遵守など、さまざまな分野で使用され、製造業界において品質と安全性を確保するために欠かせない文書で、製造作業の憲法ともいえる。