医薬品製造の基礎レポート

設備・環境の知識 レポート一覧

製造に適した作業室とは!?

 製造する医薬品の種類や作業により、必要な設備は異なる。 また、製造する医薬品の活性、性状(液体か、粉末か、飛散しやすいか)、用途(原薬、外用、内服、注射)などで必要な設備や、管理の厳しさは異なる。  それぞれの医薬品に適した作業室を設置し、適切に維持管理することが大切である。適した作業室の必要性@...

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適した作業室の床、壁、窓、天井

 次に、適した作業室にするために、床、壁・窓、天井・照明のポイントを示す。  尚、製造工程や要求品質により、求める仕様は異なる。適した床・はがれたり、割れたりしていないこと・摩耗、衝撃に強く、耐久性のある素材で仕上げる 例)コンクリート床に樹脂塗装、コーティング(エポキシ樹脂等)・塗料塗装を避ける(...

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空調設備の必要性

空調設備の必要性 医薬品の製造過程は、“汚染”の危険と隣り合わせである。 だからといって、完全な密閉間、または無人の状態で医薬品の製造を行うことは不可能である。そこで製造中、製品を守るのが空調設備である。 空調設備は、医薬品の品質を保持し、安定供給を担保し、かつ製造環境の塵埃、微生物をいかに効率よく...

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クリーンルーム

クリーンルームとは クリーンルームとは、JIS Z 8122によると「コンタミネーションコントロールが行われている限られた空間であって、空気中における浮遊微粒子、浮遊微生物が限定された清浄度レベル以下に管理され、またその空間に供給される材料、薬品、水などについても要求される清浄度が保持され、必要に応...

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清浄度と差圧

医薬品を製造する清浄度レベル 空気中の塵埃や微粒子、必要に応じて温湿度や気流等が制御できる閉ざされた空間をクリーンルームという。 クリーンルームの性能は、一定体積中における基準の大きさの微粒子数をもとに規定された清浄度で示される。ISO規格では1立方メートル当たりに含まれる対象粒径の微粒子数によって...

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設備のメンテナンス

メンテナンスとは!? メンテナンスとは、設備の機能を保持するための作業である。  「据え付け状態」と「運転機能」両方の初期状態を維持することがメンテナンスである。設備のメンテナンスは予防的に行う 設備のメンテナンスは予防的に行うことが望ましい。 故障してから修理するのではなく、あらかじめ定めた時期で...

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設備に関する注意事項

設備で用いる消耗品 設備使用時には、設備単体だけでなく、下記のような消耗品を使用する。  フィルター、ろ布、ガスケット、ホース、保管容器、 サンプル容器、サンプリング器具、ラベル、洗浄剤等 消耗品は、製品の品質に影響するものを使用しない。 例えば、フィルター、ガスケット、保管容器、袋の成分が原材料、...

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異物が混入すると?

異物が混入すると販売・製造できない 薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)の第56条で、「異物が混入し、又は付着している医薬品」は販売、製造等を禁止すると定められている。 異物とは、製品以外のもの全てを指し、微生物など目に見えないものも含まれる。異物混入はなくならな...

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異物の発生源とは!?

 異物の発生源は主に「購入品」「原材料」「製品」「人」「設備」「備品・部品」「虫」の7つに分けられる。 次にその具体例と対策を示す。購入品 「購入品」の発生源と異物対策原材料、部品、運搬具、通い箱、購入設備などから金属、繊維、油、カーボン、屑くずが混入・付着サプライヤーへの依頼、協力会社との共同改善...

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異物対策

 製品への異物混入をゼロにするために、次の7ステップで対策する。 異物分析 不良の現場から異物を採取、観察、分析し、異物の正体を突き止める。 工程限定 異物不良は発生工程と発見工程が違う場合が大半のため、マッピング、クリーンワーク流し、レファレンスの3つの方法で発生工程を限定する。 徹底清掃 長年蓄...

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虫の発生と昆虫相の調査

捕獲される主な虫とその特徴 医薬品工場で捕獲される昆虫は5〜10科、多くても20科程度である。 @噛虫目ごうちゅうもく・・・チャタテムシ類 体長約1mmの無翅昆虫むしこんちゅうで、餌である真菌発生の指標となる。真菌発生の防止には、環境の温度や湿度に注意する。 チャタテムシ クリーンルームなどの施設で...

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昆虫類の環境指標性

昆虫類の環境指標性とは!? 昆虫類は種類によって餌や生息場所が異なる。 よって製造区域に均一に生息するわけではなく、それぞれの種類が特定の環境で見出される。 したがって、捕獲された昆虫類の生態を熟知していれば、工場にどのような問題があるのかを推測することができる。 これが昆虫類の環境指標性であり、昆...

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防虫対策

防虫対策の必要性 医薬品の製造場所の中で、とくに高度な衛生管理や微生物管理が行われている無菌製剤の製造室の中にも、虫が成育しているという報告もあり、防虫対策なくして医薬品製造はできない。 ただし虫に関しては、虫の同定、発生状況の調査、あるいは予防対策などを行う場合、かなり高度な専門的知識や経験を要す...

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5Sの徹底

5Sとは!? 防虫管理の上で衛生管理は大変重要であり、その基本となるのは5S活動である。 @整理…必要なものと不要なものを分け、不要なものを捨てることA整頓…必要なものがすぐに取り出せるように、置き場所、置き方を決め、表示を確実に行うことB清掃…掃除をして、ゴミ、汚れのないきれいな状態にすると同時に...

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防虫に関する指針

 平成23年4月20日付け事務連絡「無菌操作法による無菌医薬品の製造に関する指針」のなかの「3.1 品質システム一般要求事項」に以下の記載がある。11)防虫管理無菌医薬品製造所は、昆虫類による汚染を防止するため、適切な防虫管理を実施すること。また、防虫管理について「無菌操作法による無菌医薬品の製造に...

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廃棄物の処理

廃棄物の処理 医薬品製造には、廃棄物および廃水、ときには排気体が発生する。  発生する廃棄物、廃水、排気体は適切に処理しなければならない。 施設の設計や新製品製造計画の段階で廃棄物等の処理方法を十分に考慮する。処理の方法  ・製品が汚染されないように、廃棄物等は密閉して製造場所から分離し保管する。 ...

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災害対策

設備の堅牢さ 設備はいつも正常に稼働するとは限らない。このため、非常時への対応にも十分配慮することが必要である。 人為的ミスによる異常や、短時間の停電そして自然災害は、常に起こり得るリスクである。もし、それらのリスクに対し設備が脆弱ならば、たびたび製造が停止するというトラブルに見舞われる。 生産活動...

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