製造する医薬品の種類や作業により、必要な設備は異なる。
また、製造する医薬品の活性、性状(液体か、粉末か、飛散しやすいか)、用途(原薬、外用、内服、注射)などで必要な設備や、管理の厳しさは異なる。
それぞれの医薬品に適した作業室を設置し、適切に維持管理することが大切である。
@ちり、ほこり、昆虫等の異物が医薬品に混入するのを防止する。
A微生物が医薬品に混入するのを防止する。
B製造中の医薬品に別の医薬品や他の微量成分が混入するのを防止する。
Cある種の抗生物質や抗がん剤など活性の高い医薬品は製造所内部に封じ込めて、他の医薬品や、外部の環境を汚染しないようにする。
D正しい作業がスムーズにできるようにする。
@作業室は、ちり、ほこり等がたまりにくく、また、清掃しやすいようにする。
A室内の空気は用途に応じたフィルターを通して供給する。
B作業室には設備や器具の洗浄及び医薬品の製造に使用する製薬用水(常水、精製水、注射用水など。)を供給する設備を備える。
C「無菌製剤の製造室」「一般製剤の製造室」「包装室」等は作業に適した清浄度を維持する。「無菌製剤の製造室」については、定期的にその清浄度を微粒子数、落下菌数、浮遊菌数などを測定して確認する。
D作業所は、当該作業室の職員以外の者の通路として使用しない。
E出入り口のドアや窓は異物混入を防止し、作業室の清浄度を保つためにいつもきちっと閉めておく。
F作業室の作業台、製造機械等は製造する順序により作業しやすく、作業中の混同、手違いを防止できるよう配慮する。
G作業室には、防じん、防虫、防そ(ネズミなどの小動物)のための設備・器具(二重ドア、補虫灯など)を備える。例えば、月単位で各作業室毎に昆虫相のモニタリングを行い、増加傾向が観察された場合、防御対策を取り、虫の作業室への侵入を防ぐ。
H作業室は、清潔にして作業や医薬品の品質を確保するのに適した温度・湿度・明るさ等の作業環境を保つ。
I排水及び廃棄物の処理に要する設備又は器具を備える。また、有毒ガスを取り扱う場合はその処理設備を備える。