昆虫類の環境指標性

昆虫類の環境指標性とは!?

 

 昆虫類は種類によって餌や生息場所が異なる。

 

 よって製造区域に均一に生息するわけではなく、それぞれの種類が特定の環境で見出される。

 

 したがって、捕獲された昆虫類の生態を熟知していれば、工場にどのような問題があるのかを推測することができる。

 

 これが昆虫類の環境指標性であり、昆虫類の生息状況が製造環境の状態、すなわちGMPの管理状態や製造環境の変化を反映することから、環境のインジケーターとして利用できる。

 

 昆虫管理を進めるために欠くことのできない概念である。

 

昆虫類の環境指標性

 

【屋外より侵入する昆虫類】

環境指標性 科(種)
飛翔性の昆虫類 ユスリカ科、クロバネキノコバエ科、タマバエ科など
徘徊性の昆虫類 オサムシ科、ゲジ科、タカラダニ科など

 

【屋内に定着し発生する昆虫類】

環境指標性 科(種)
排水の汚れの指標 チョウバエ科、ショウジョウバエ科、ノミバエ科など
真菌(カビ)発生の指標 有翅ゆうしチャタテ類、コナチャタテ科、ヒメマキムシ科など
室内塵の堆積の指標 コナチャタテ科、シミ科、カツオブシムシ科、コナダニ科など
昆虫個体群の指標
(昆虫を捕食して生息)
真正クモ目
(チリグモ科、ユウレイグモ科、ハエトリグモ科など)
衛生状態の指標 ゴキブリ目

 

 医薬品製造所内でよく見られるチャタテムシやトビムシ等の昆虫類は、塵埃やカビなどを餌として発生するため、環境管理の環境指標種となる。