食品の分類

食品の分類

 薬機法(医薬品医療機器等法)における食品の分類は、食品が健康や疾病に関連する表現を行う際に重要な基準となる。

 

 食品は医薬品とは異なり、疾病の診断・治療・予防を目的とすることはできないとされている。

 

【食品の分類】

一般食品
・日常的な栄養摂取や嗜好品として利用される食品。機能性の表示ができない。
例)ご飯、パン、野菜、飲料など
保健機能食品
・健康の維持や増進に役立つ食品として一定の基準を満たし、国が認可または届出を求める食品。
例)特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品、機能性表示食品

特別用途食品

・乳児、幼児、妊産婦又は病者の発育又は健康の保持若しくは回復の用に供することが適当な旨を医学的、栄養学的表現で記載し、かつ、用途を限定したもので、健康増進法の規定に基づく許可又は承認を受け、「特別の用途に適する旨の表示」をする食品。
・高齢者や病気療養中の人、妊婦、乳児など、特定の目的を持つ人々のために開発され、通常の食品と区別されている。
例)病者用食品、妊産婦・授乳婦用粉乳、乳児用調製乳、 えん下困難者用食品など

 

保健機能食品とは!?

 

 保健機能食品は、「保健」「機能」のどちらかの言葉が入り、特定保健用食品(トクホ)、栄養機能食品、機能性表示食品の3種類がある。

 

 次に、3種類の違いを示す。

 

分類 定義・目的 許可・承認 具体例 特徴
特定保健用食品(トクホ) ・食生活において特定の保健の目的で摂取をする者に対し、その摂取により当該保健の目的が期待できる旨の表示をする食品
・トクホの表示には、消費者庁長官の許可が必要で、食品ごとに有効性や安全性について国の審査を受ける必要がある
個別の生理的機能や特定の保健機能を示す有効性や安全性等に関する審査、消費者庁長官の許可又は承認
・消化を助ける飲料
・コレステロールを抑える食品
- 「お腹の調子を整える」「コレステロールを抑える」などの具体的な表現が可能。
栄養機能食品 ・特定の栄養成分の補給、補完を目的とした食品で、国が定めた規格基準を満たすもの
・1日当たりの摂取目安量に含まれる栄養成分の量が、基準に適合しており、栄養表示しようとする場合には、食品表示基準の規定に基づき、その栄養成分の機能の表示を行わなければならない
基準に適合していれば機能表示が可能(消費者庁長官の許可は不要:マークなし) ・ビタミン剤
・鉄分補給サプリ
- 栄養素の機能に関する表現が可能(例:「鉄は赤血球を作るのに必要な栄養素です」)。
機能性表示食品 ・事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示し、販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ届け出られたもの 消費者庁長官への届出(消費者庁長官の個別の許可を受けたものではない:マークなし) ・脂肪の吸収を抑えるサプリ
・集中力を高める食品
- 科学的根拠に基づく健康効果を表現可能
- ただし「疾病の予防・治療」を目的とする表現は不可

 

特別用途食品とは!?

 

 特別用途食品は、特定の健康状態や身体の状態に応じた食事管理や栄養補給を目的とする食品で、日本の食品表示法に基づき、消費者庁が許可・認可したものを指す。

 

 

 

 特別用途食品は、消費者庁の認可又は承認受ける必要があり、以下のような目的に応じた食品が特別用途食品として認可される。

 

【特別用途食品の分類】

分類 概要 具体例
乳児用調整食品 乳児の栄養補給に適した食品で、母乳の代わりや補完として使用される。 粉ミルク、ベビーフード
妊産婦・授乳婦用食品 妊娠中や授乳中の女性の栄養補給を目的とした食品。 葉酸入り飲料、栄養補助サプリ
病者用食品 病気療養中の人や特定の健康状態(糖尿病、腎疾患など)に対応するための食品。 糖質制限食品、低たんぱく食品
高齢者用食品 咀嚼力や嚥下力が低下した高齢者向けに作られた食品。 嚥下調整食品、ソフト食
授乳用・離乳用食品 離乳食や授乳時の栄養補助に対応した食品。 ベビーフード(ペースト状の食品など)
体力を消耗した人向け食品 急激な体力消耗後や疲労回復を目的とした食品。 栄養補助ゼリー、エネルギー飲料

 

 

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