医薬品製造に関わる基礎知識をまとめて紹介します。薬機法改正についてまとめました。
薬機法第13条第1項および、薬機法第12条第1項では製造業・製造販売業の許可が次のように規定されている。
医薬品は、厚生労働大臣により「製造業」の許可を受けた者でなければ製造をしてはならないとされており、厚生労働大臣により「製造販売業」の許可を受けた者でなければ製造販売をしてはならないとされている。
薬機法における「製造業」と「製造販売業」の許可は、それぞれ異なる役割と規制を担う医薬品等の製造・販売に関連する重要な許可制度である。
この仕組みは、医薬品の品質や安全性を確保するために設けられている。
「製造業」の許可とは!?
【「製造業」の許可の説明】
概要 |
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「製造業」は、医薬品や医療機器を実際に製造する事業者が対象である。この許可では、製造現場での施設や設備、工程の管理が適切に行われていることが求められる。 |
主な要件 |
・GMP(適正製造基準)遵守: 医薬品等の製造施設が、国際基準に基づく品質管理と製造管理を行うこと。 ・施設基準: 設備が基準に適合していること。 ・人員要件: 有資格者や管理者が適切に配置されていること。 |
特徴 |
・医薬品の製造業の許可を受けた者でなければ、業として、医薬品の製造をしてはならない。 ・製造業の許可は、製造を行う特定の施設ごとに取得が必要である。つまり、1つの企業が複数の製造拠点を持つ場合、それぞれの施設で許可を取得する必要がある。 ・製造業の許可は、厚生労働省令で定められた区分に従い、都道府県知事が製造所ごとに与える。製造業の許可は、5年ごとに更新する必要がある。 |
【「製造販売業」の許可の説明】
概要 |
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「製造販売業」は、製造された医薬品等を市場に流通させる責任を持つ事業者が対象である。この業務では、市場での製品の品質や安全性を一元的に管理する。 |
主な要件 |
・GQP(適正品質管理基準)遵守: 製造販売される医薬品の品質管理に関する基準を満たすこと。 ・GVP(適正安全管理基準)遵守: 市場に出た製品の安全性を監視し、適切な対応を行うこと。 ・管理者の配置: 総括製造販売責任者の設置が義務付けられている(薬剤師などの資格が必要)。 |
特徴 |
・製造販売業の許可は、施設単位ではなく、製造販売の全体を統括する企業に付与される。 ・許可の種類には、第1種医薬品製造販売業許可、第2種医薬品製造販売業許可、医薬部外品製造販売業許可、化粧品製造販売業許可などがある。 ・許可を取得した後は、製造販売しようとする医薬品の品目ごとに厚生労働大臣の承認を受ける必要がある。 ・製造販売業者は、製品の流通責任を負うため、製造を外部に委託した場合であっても品質管理を監督する必要がある。 ・製造販売業許可の期限は5年とされており、製造販売業許可の取得者は、当該期間内に許可の更新を受けなければならない。都道府県による、申請書類の内容確認、実地調査で問題がなければ許可証が交付される。 |
製造業と製造販売業の違いをまとめると次のようになる。
【製造業と製造販売業の違い】
項目 | 製造業 | 製造販売業 |
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対象業務 | 医薬品等の製造 | 製造された製品の市場への流通管理 |
管理基準 | GMP(適正製造基準) | GQP、GVP(適正品質・安全管理基準) |
許可範囲 | 施設ごと | 企業全体 |
責任の範囲 | 製造過程 | 製造から流通・市販後の管理まで |
製造業と製造販売業の許可制度を分けることにより、製造と市場流通の責任分担が明確になり、各工程で専門的な管理基準(GMP、GQP、GVP)が徹底される。
この制度により、消費者に安全で有効な医薬品が届けられる。
また、製造業と製造販売業の許可は同時取得が可能であるが、製造業と製造販売業は別の許可制度であるため、それぞれに対して個別の申請が必要である。
申請内容や基準も異なるため、両方の条件を満たすことが求められる。