要指導医薬品・一般用医薬品の定義

要指導医薬品とは!?

 薬機法では要指導医薬品の定義が次のように規定されている。

 

次のイからニまでに掲げる医薬品(専ら動物のために使用されることが目的とされているものを除く)のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされるものであり、かつ、その適正な使用のために薬剤師の対面による情報の提供及び薬学的知見に基づく指導が行われることが必要なものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう(薬機法第4条第5項第3号)

 

 

要指導医薬品の種類 要指導医薬品の具体例
イ その製造販売の承認の申請に際して第14条第11項に該するとされた医薬品であって、当該申請に係る承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過しないもの 新医薬品であって、承認を受けてから所定の期間を経過しないもの
@再審査のための調査期間が経過していないダイレクト OTC 医薬品(=ダイレクト直後品目)
A製造販売後の安全性調査期間が経過していないスイッチ OTC医薬品(=スイッチ直後品目)
口 その製造販売の承認の申請に際してイに掲げる医薬品と有効成分、分量、用法、用量、効能、効果等が同一性を有すると認められた医薬品であって、当該申請に係る承認を受けてから厚生労働省令で定める期間を経過しないもの 追っかけ新医薬品(新医薬品と同じ有効成分の医薬品)であって、承認を受けてから安全性を評価する期間を経過しないもの
@追っかけダイレクト直後品目
A追っかけスイッチ直後品目
ハ 第44条第1項に規定する毒薬 毒薬
ニ 第44条第2項に規定する劇薬 劇薬

 

 要指導医薬品とは、医師の処方箋が不要で販売できるが、特別な管理が必要な医薬品である。医療用医薬品から市販薬に転用されたばかりの薬や、毒薬・劇薬に指定される医薬品を指す。

 

 要指導医薬品を購入する場合は、薬剤師による対面での指導や情報提供を受けることが義務付けられており、インターネットでの購入はできない。

 

要指導医薬品の調査期間

 

 要指導医薬品は、次に掲げる期間を経過し、薬事・食品衛生審議会において、一般用医薬品として取り扱うことが適切であると認められたものについては、一般用医薬品に分類される。

 

 @ダイレクトOTC医薬品→通常4年から8年

 

 AスイッチOTC医薬品→約3年

 

一般用医薬品の定義とは!?

 薬機法では一般用医薬品の定義が次のように規定されている。

 

医薬品のうち、その効能及び効果において人体に対する作用が著しくないものであって、薬剤師その他の医薬関係者から提供された情報に基づく需要者の選択により使用されることが目的とされているもの(要指導医薬品を除く)(薬機法第4条第5項第4号)

 

一般用医薬品の種類
第1類医薬品:副作用のリスクが高い、または適切に使用しなければ健康被害が生じる可能性があるもの。薬剤師が対面での情報提供を行った上で販売。
第2類医薬品:健康被害リスクが中程度の医薬品。店頭で手に取ることができるが、注意書きの掲示が義務付けられている。特に注意が必要な成分を含む場合は「指定第2類医薬品」に分類される。
第3類医薬品:健康被害のリスクが比較的低い医薬品。薬局、ドラッグストア、インターネットで購入可能。

 

要指導医薬品と一般用医薬品の違い

 

 要指導医薬品は、法律上、本来は一般用医薬品に分類されるものである。

 

 しかしその特性から、薬剤師の対面による情報提供と指導が必要と判断されるものについては、要指導医薬品として指定される。

 

 なお、要指導医薬品は、OTC医薬品のインターネット販売解禁時にできた区分であり、特定販売ができないことも、一般用医薬品との大きな違いである。

 

【要指導医薬品と一般用医薬品の違い】

 

項目 要指導医薬品 一般用医薬品
定義 処方箋なしで購入可能だが、適正使用のため薬剤師の指導が必要な医薬品。 処方箋不要で購入可能で、消費者が自己判断で使用できる医薬品。
リスクレベル 一般用医薬品よりもリスクが高く、特別な注意が必要な成分を含む場合が多い。 リスクに応じて第1類、第2類、第3類の3種類に分類される。
販売の条件 - 薬剤師による対面での説明・指導が必須。
- ネット販売不可。
- リスク分類によって販売条件が異なる。
- 第1類は薬剤師の説明必須、第2類・第3類は自由購入可能(ネット購入も可)。
対象者の管理 使用者の状態や薬の適正使用を確認するため、薬剤師の対面確認が必要。 消費者の判断で購入可能(高リスク品では薬剤師・登録販売者の説明を受ける場合もある)。
具体例 一部のスイッチOTC薬(処方箋医薬品から切り替わったばかりの医薬品)、毒薬・劇薬など。 - 第1類: ミノキシジル含有育毛剤
- 第2類: 解熱鎮痛剤
- 第3類: ビタミン剤、整腸薬
販売店舗 薬剤師常駐の薬局のみで販売。 薬局、ドラッグストア、インターネット販売(リスク分類に応じた条件あり)。
法的規制 厚生労働大臣指定の要指導医薬品に該当。 リスク分類に基づき、薬機法の一般用医薬品規定に準ずる。

 

 要指導医薬品の一覧は、 下記の厚生労働省ウェブサイトで確認できる。

 

 

厚生労働省「要指導医薬品の一覧」はこちら

 

 

厚生労働省「要指導医薬品について」はこちら

 

 

厚生労働省「薬機法全文」はこちら