次に、医薬品製造に関わる従業員がGMPを守るためにすべきことを示す。
医薬品製造に関わる従業員は、GMP実施に積極的に関与しなければならない。
従業員はGMPの原則や要件を理解し、それらを実践するためのトレーニングと教育を受ける。
自身の位置、仕事、責任を自覚し、文書を読んで内容を理解し、自身の技術を磨くことが求められる。
特に新入社員や新たな業務に携わる者は、適切な導入トレーニングを受けることが重要である。
従業員は、クリーンルームや清潔な作業環境を維持するための規則や手順に従う必要がある。
これには、適切な衣服や防護具の着用、清潔な作業場所の維持などが含まれる。
衛生的に医薬品を製造するための基本は、5S(整理・整頓・清潔・清掃・躾)の徹底である。
医薬品製造においては、製造室・機械・設備は常に清潔にし、衛生管理規則を守ることが必要である。
従業員は、設定された手順やプロセスに従って作業を行う必要がある。
これには、適切な装置の使用、適切な文書の記録などが含まれる。
品質を確保するには、製造方法や試験方法を予め決めておき、その通りに実施するように指示し、指示された通りに実行することである。
・指示をきちっと受ける。
・理解できないことは質問して理解しておく。
・慎重の上にも慎重を期して、正しい作業を行う。
GMPには正確なドキュメント管理が求められる。
従業員は、製品の製造や検査に関連するすべてのドキュメントを適切に記録し、管理する責任がある。
GMPを守るうえで、実行したことをありのままに記録することが大切である。
・正直に。偽りを記載しない。
・数字をつくらない。
・実行したことだけを書く。
・予測して事前に書かない。
GMPに従って、製品の品質を確保するための品質管理手順と検査手順を遵守することが重要である。
これには、製品の規格に基づいた検査、適切な検査記録の管理などが含まれる。
従業員は、品質管理や安全に関する懸念や問題を適切な上司や品質管理部門に報告する責任がある。
もし、逸脱、異常、不適合を発見した場合は、黙って見過ごすことなく積極的に責任者に報告することが必要である。
また、チーム内や他の関係者とのコミュニケーションを通じて、情報の共有と連携を図ることも重要である。