医薬品は食品と違い、見た目では品質の良否がわかりにくい。では、良い医薬品とはどういうものをさすか。次に、良い医薬品の判断基準を4つ示す。
◎期待されている効果が十分に得られる。
薬は効能によって数多くの種類がある。風邪薬だけでも、熱、せき、鼻水などの症状に合わせたものが市販されている。医薬品には、患者の各症状が改善される十分な効果が得られることが第一に求められる。
◎正しく使われたとき、望ましくない作用ができるだけ小さくなるようにつくられている。
病気の人が対象の医薬品は効果が強い一方、眠くなる、のどが渇くなどの副作用を伴う。医薬品には、この副作用をできるだけ小さくして、患者が安心して服用できるようにすることが求められる。
@成分が正しく配合されている。
A均質性が保証されている。
B所定の期間内は安定で、分解や変質のおそれがない。
C汚染や混同その他、製造工程にもとづく欠陥がない。
例えば食品のリンゴであれば、新鮮で甘味が強く、大きいサイズのものが良い品質となる。しかし、医薬品の場合、症状に効く有効成分が多く配合されていても良い品質とはならない。
人の生命に直結する医薬品では、成分が正しく配合され、期間内は安定して分解や変質のおそれがないものが良い品質となる。
◎使用に便利な形態であって、正しく使えるよう表示や添付文書が整っている。
医薬品は、目的や薬効によって、粉末、錠剤、液剤等の適切な形に加工される。剤形は、薬の安定性や服用しやすさ、効き目や副作用の現れ方などを考慮して決定される。
また、医薬品の添付文書は、患者の安全を確保し医薬品の適正使用を図るうえで必ず必要である。
このように、優れた医薬品とは、単に薬効のある物質から出来上がった「薬剤」というだけでなく、安全性や品質の良さが求められる。
また、容器や包装材料、正しい使い方を示す情報が一体となって品質が保証されていなければならない。