医薬品製造に関わる基礎知識をまとめて紹介します。医薬品と食品の違いとは?医薬品をつくる工程で大切なことをまとめました。
医薬品は、目的や薬効に応じて粉末、錠剤、液剤などの適切な形状に加工される。これを剤形と呼ぶ。

剤形は、有効成分の物理的・化学的安定性、患者のアドヒアランス(服用しやすさ)、体内での薬物動態(効き目や副作用の発現)を総合的に考慮して決定される。
剤形は投与経路に基づき、主に内用剤、外用剤、注射剤の3つに大別される。各々の特徴は以下の通りである。
【@内用剤】
| 散剤 | 有効成分をそのまま、あるいは賦形剤等の添加剤を混合し、粉末または微粒状に製したもの。 |
|---|---|
| 顆粒剤 | 有効成分に添加剤を加え、粒状に造粒したもの。 |
| 丸剤 | 有効成分に賦形剤、結合剤、崩壊剤などの添加物を加え、球状に成型したもの。 |
| 錠剤 | 有効成分と添加剤の混合物を圧縮成型するか、溶媒で練合・成型、もしくは型に流し込み乾燥させて一定の形状に製したもの。 素錠(裸錠)、糖衣錠、フィルムコーティング錠、カプレット、腸溶錠、貼付錠、徐放錠など多様な機能を持つ。 |
| カプセル剤 | 有効成分を液状、懸濁状、のり状、粉末状または顆粒状などでカプセルに充填するか、カプセル基剤で包み込んで成型した製剤。 硬カプセル剤、軟カプセル剤に大別される。 |
| 内用液剤 | 内服して用いる液状の製剤。 シロップ剤、浸剤・煎剤、懸濁剤、乳剤、エリキシル剤、リモナーデ剤などが含まれる。 |
【A外用剤】
| 外用液剤 | 皮膚や粘膜に適用する液状の外用剤。 ローション剤、エアゾール剤、点眼剤などが該当する。 |
|---|---|
| 半固形剤 | 適度な流動性と展延性を有し、皮膚や粘膜に塗布する半固形状の外用剤。 軟膏剤、眼軟膏剤、クリーム剤、パップ剤、リニメント剤などが含まれる。 |
| 固形剤 | 貼付剤、外用錠剤、外用散剤、坐剤が含まれる。 貼付剤は支持体に膏体を展延または封入し、皮膚に粘着させて用いる。 外用錠剤にはトローチ剤(口腔内で徐々に溶解させ口腔・咽頭に作用させる)、腟錠(腟内に適用する錠剤)、口腔内貼付剤がある。 外用散剤は皮膚や粘膜に散布して用いる。 坐剤は基剤と均等に混合し、肛門または腟に適用するよう成型された固形の外用剤。 |
【B注射剤】
| 注射剤 | 皮内、皮下、筋肉内、または血管内などの体内組織に直接注入する無菌製剤。 溶液、懸濁液、乳濁液のほか、用時に溶剤で溶解または懸濁して用いる固形注射剤がある。 |
|---|
【ポイント】
1. 剤形選択における安定性とQbD(Quality by Design)
医薬品の剤形は、単なる服用しやすさだけでなく、有効成分の物理的・化学的安定性を担保する上で極めて重要である。製造開発段階においてQbDの概念を取り入れ、リスクアセスメントに基づく製剤設計を行うことが求められる。
2. 無菌製剤(注射剤)の製造と汚染管理戦略(CCS)
注射剤は無菌性が絶対条件であり、最新のGMP要件に準拠した高度な製造管理が必要である。施設設計から環境モニタリング、作業員の更衣手順に至るまで、包括的な汚染管理戦略(CCS: Contamination Control Strategy)の構築と継続的な改善が不可欠である。
| 剤形 | 有効成分の安定性や薬効の発現、服用しやすさなどを考慮し、医薬品を粉末、錠剤、液剤などに加工した形状のこと。 |
|---|---|
| 賦形剤(ふけいざい) | 有効成分の量が少ない場合に、取り扱いやすい大きさや質量にする目的で添加される物質。 乳糖やデンプンなどが代表的である。 |
| 無菌製剤 | 注射剤や点眼剤など、微生物や微粒子が混入していないことが絶対的に要求され、厳格な無菌条件下で製造される製剤。 |