口腔咽喉薬・含嗽薬(うがい薬)とは!?

口腔咽喉薬とは!?

 

 口腔咽喉薬こうくういんこうやくのどは痛いけれど、熱など他の風邪症状がない場合、総合感冒薬とは別に、のどの炎症を抑えることを目的にした医薬品である。

 

 剤形には、ドロップ剤、トローチ剤、噴射剤(スプレー剤)、塗布剤(外用液剤)などがある。

 

 

医薬品製造

 

 口腔内または咽頭部の粘膜に局所的に作用して、それらの部位の炎症による痛み、はれ等の症状の緩和を目的としている。

 

含嗽薬(うがい薬)とは!?

 

 含嗽薬がんそうやく(うがい薬)は、殺菌消毒薬、抗生物質、局所麻酔剤または抗炎症薬などを主成分として、喉の粘膜や口腔内の消毒、収れん、止血、炎症性疾患の治療や予防に用いられる。

 

 剤型は、水剤、散剤、顆粒剤などがあり、水剤は一定量の水で希釈して、また散剤および顆粒剤は一定量の水に溶解して使用する。

 

 

医薬品製造

 

 殺菌あるいは口臭除去や口内の洗浄を目的としている。

 

のどの痛みが生じるしくみ

 

 のどが痛くなる原因には、

 

 

 

 ・ウイルスや細菌による「感染」

 

 ・鼻づまりや口呼吸などによる「のど粘膜の乾燥」

 

 ・長時間しゃべり続けたりすることによる「のどの酷使」

 

 ・タバコや香辛料などによる「のどへの刺激」

 

 

 が挙げられる。

 

プラスミンを抑えて改善

 

 ウイルス等の感染などにより、細胞が破壊されると、のどの痛みと腫れの「もと」、プラスミンが発生する。

 

 患部で増えたプラスミンが、炎症や痛みを引き起こす物質を誘発させる。同時に血管を拡張する。

 

 そして、患部が炎症を起こし、腫れ・痛み・赤み・熱感などの症状が起きる。

 

 医薬品製造

 

 このプラスミンを抑える“抗炎症成分”が配合された薬は、のどの痛みや腫れなどを改善する。

 

口腔咽喉薬・含嗽薬(うがい薬)

 

 口腔咽喉薬こうくういんこうやく含嗽薬がんそうやく(うがい薬)には、主に抗炎症成分(風邪薬の項)や殺菌消毒成分が含まれる。

 

【口腔咽喉薬・含嗽薬(うがい薬)の成分】





成分 種類 効果・副作用

@抗炎症成分

・アズレンスルホン酸ナトリウム
・塩化リゾチーム
・グリチルリチン酸二カリウム
・トラネキサム酸
・アズレンスルホン酸ナトリウムは、炎症を生じた粘膜組織の修復を促す作用を期待して配合されている。
・塩化リゾチームは、ショック(アナフィラキシー)や皮膚粘膜眼症候群ひふねんまくがんしょうこうぐん中毒性皮膚壊死症ちゅうどくせいひふえししょうのような重篤な副作用を生じることがある。また、卵(鶏卵)アレルギーの人は使用を避ける。
・グリチルリチン酸二カリウムは、すぐれた消炎作用があり、のどのはれや痛みを鎮める目的でかぜ薬や口腔内殺菌トローチなどに使用される。
A殺菌消毒成分

<ヨウ素系>
・ポビドンヨード
・ヨウ化カリウム
・ヨウ素

 

<非ヨウ素系>
・塩化セチルピリジニウム
・塩化デカリニウム
・塩化ベンゼトニウム
・グルコン酸クロルヘキシジン
・塩酸クロルヘキシジン
・チモール

 

・殺菌消毒成分は、口腔内やのどに付着した細菌などの微生物を死滅させたり、その増殖を抑える。
・ポビドンヨードは、ヨウ素を遊離し、各種の細菌、真菌、ウイルスなど広範囲の微生物に対して迅速な殺菌・消毒効果を発揮する。
・ヨウ素系殺菌消毒成分またはクロルヘキシジンが配合されたものでは、まれにショック(アナフィラキシー)、アナフィラキシー様症状のような全身性の重篤な副作用を生じることがある。

 

口腔咽喉薬・含嗽薬(うがい薬) OTC医薬品例

 

 口腔咽喉薬・含嗽薬(うがい薬)のOTC医薬品例を次に示す。

 

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医薬品製造

商品名 ペラックT錠(第一三共ヘルスケア)
分類 第3類医薬品
成分 ・トラネキサム酸 750mg
・カンゾウ乾燥エキス 198mg(原生薬として990mg)
・ピリドキシン塩酸塩(ビタミンB6) 50mg
・リボフラビン(ビタミンB2) 12mg
・L-アスコルビン酸ナトリウム(ビタミンCナトリウム) 500mg
(6錠中)
効能・効果 咽頭炎・扁桃炎(のどの痛み、のどのはれ)、口内炎

 

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医薬品製造

商品名 のどぬ〜るスプレー(小林製薬)
分類 第3類医薬品
成分 ・ヨウ素 0.5g
(100mL中)
効能・効果 のどの殺菌・消毒

 

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医薬品製造

商品名 イソジンうがい薬(シオノギヘルスケア)
分類 第3類医薬品
成分 ・ポビドンヨード 70mg(有効ヨウ素として7mg)
(1mL中)
効能・効果 口腔内およびのどの殺菌・消毒・洗浄,口臭の除去