回収とは!?回収の流れ
「回収」とは、製造販売業者等がその製造販売をし、製造をし、又は承認を受けた医薬品・医療機器等を引き取ることをいう。
「改修」及び「患者モニタリング」を含み、「在庫処理」及び「現品交換」を除く。
また、製造販売業者等が新製品の発売に当たり、品質、有効性及び安全性に問題のない旧製品を引き上げる行為を除く。
「改修」とは、医療機器の製造販売業者等がその製造販売をし、製造をし、 又は承認を受けた医療機器を物理的に他の場所に移動することなく、修理、 改良、調整、廃棄又は監視を行うことを言う。
また、医療機器プログラムの場合は、品質、有効性及び安全性に問題のない新しいプログラムに置き換えること又は修正することをいう。
「患者モニタリング」とは、医療機器又は再生医療等製品の製造販売業者等がその製造販売をし、製造をし、又は承認を受けた医療機器又は再生医療等製品を患者から摘出することなく、当該医療機器又は再生医療等製品を使用している患者の経過を観察することをいう。
「在庫処理」とは、製造販売業者等がその製造販売をし、製造をし、又は承認を受けた医薬品・医療機器等であって未だに販売していないもの又は未だに製造販売業者等の直接の管理下にあるものについて、製造販売業者等がこれらを引き取ることをいう。
医療機器にあっては、修理、改良、調整若しくは廃棄することをいう。
ただし、貸与等、製造販売業者等が所有権を有しながら製造販売業者等以外の者がその医療機器を現に使用しているもの又は使用する目的で製造販売業者等以外の場所で貯蔵しているものに対するこれらの行為を除く。
「現品交換」とは、保健衛生上の問題が生じないことが明らかな場合であって、かつロット又はある一定範囲の医薬品・医療機器等、当該製品以外の医薬品・医療機器等に同様の瑕疵(本来あるべき機能・品質・性能・状態が備わっていないこと)が生じないことが明らかなときに、製造販売業者等が当該医薬品・医療機器等を引き取り交換すること(医療機器にあっては、修理、改良、調整、廃棄又は監視を行うこと)をいう。
回収の要否及び回収対象の判断に当たっては、以下の(1)〜(3)の観点から総合的に判断すること。
(1)有効性及び安全性への影響
@ 何らかの不良により医薬品・医療機器等の安全性に問題がある場合は回収すること。
安全性に問題がない場合であっても、有効性の問題等により期待される効能・効果が得られない場合又は期待される性能が発揮されない場合は、回収すること。
製造販売業者等が不良医薬品・医療機器等について有効性及び安全性に問題がないことを明確に説明できない場合には、当該不良医薬品・医療機器等を回収すること。
A 法又は承認事項に違反する医薬品・医療機器等は回収すること。
(2)混入した異物の種類及び製品の性質
@ 異物が混入又は付着している医薬品・医療機器等であって、保健衛生上問題が生じないことが明確に説明できない場合は、回収すること。
A 無菌製剤は、原則的に無菌性保証が確実か否かを重要な判断基準とすること。
(3)不良範囲の特定に関する判断
@ 製造販売業者等が不良医薬品・医療機器等についてロット又は製品全体に及ぶものではないことを明確に説明できない場合には、当該不良医薬品・医療機器等を回収すること。
ロット又は製品全体に不良が及ばないことを説明するためには、原則として、以下の全ての条件を満たしている必要がある。
ア.不良発生の原因と工程が特定できること。
イ.当該不良医薬品・医療機器等と同ロットの参考品等により、品質に問題がないことが確認できること。
ウ.医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(平成16年厚生労働省令第179号。以下「GMP 省令」という。)、医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(平成16 年厚生労働省令第169 号。以下「QMS省令」という。)又は再生医療等製品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令(平成26 年厚生労働省令第93号)に基づき、不良発生防止のための措置が適切に講じられていたことを説明できること。
エ.医薬品、医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品の品質管理の基準に関する省令(平成16年厚生労働省令第136号。以下「GQP省令」とい う。)又はQMS省令に基づき、同様の品質に関わる苦情が他にも多数発生していないことが確認できること。
A 当初はロット又は製品全体に不良が及ばないと考えられた場合であっても、実際に複数施設において当該不良が生じた場合には、当該不良の発生率との関係を考慮した上で原則的に回収すること。
B 大型医療機器、埋め込み型の医療機器又は再生医療等製品等、ロットを構成しない医療機器又は再生医療等製品の不良について、同種他製品に同 様な不良がある場合、当該製品群をロットとみなし回収に準じた扱いを行うこと。
同様の不良が同種他製品に及ばないと明確に説明できる場合は、「現品交換」に準じた扱いとすること。
原則として、市場から回収対象製品が全て回収された時点をもって、回収終了と判断する。
ただし、最終消費者への情報提供が必要な場合等、製品の特性、回収理由等を勘案して判断することとする。
埋め込み型の医療機器又は再生医療等製品の使用者に対して患者モニタリングを行う場合は、以下の3点を全て満たした時点で回収終了と判断して差し支えない。
@ 医療機関への情報提供が終了していること。
A 患者モニタリングの方法及び計画を策定していること。
B 検診・点検が実施できないやむを得ない事情がある場合を除き、対象患者全員について、検診・点検を行っていること。
ただし、回収終了とする場合でも、製造販売業者等は、別途、患者の状況について情報収集等することが必要であり、都道府県薬務主管課は、その実施状況等を適宜確認するものとする。
@ GQP省令第12条第1号(第21条で準用する場合を含む。)又はQMS省令第72条第2項第6号の規定に基づき、回収した製品は、それ以外の製品と区別して保管すること。
医薬部外品(施行令第20条第2項の規定により製造管理又は品質管理に注意を要するものとして厚生労働大臣が指定する医薬部外品を除く。)及び化粧品についても、この規定に準じて、回収した製品は、それ以外の製品と区別して保管すること。
A 回収が終了したことを確認するために、回収した製品は回収終了時まで保管し、回収が終了後に廃棄することを原則とするが、回収製品が膨大である場合は、都道府県薬務主管課等の確認を受けた上で適宜廃棄することで差し支えない。
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