PIC/Sとは!?

PIC/Sとは!?

 

 PIC/S(Pharmaceutical Inspection Convention and Pharmaceutical Inspection Co-operation Scheme)とは、医薬品査定協定・医薬品査察協同スキームのことで、医薬品査察当局の国際的な団体である。

 

 医薬品査定協定・医薬品査察協同スキーム(PIC/S)は、1970 年に締結された医薬品査察協定を母体として、1995年からは協定締約国以外の国・地域を含む各国の医薬品査察当局がボランタリーに参加し、医薬品GMPに係る指針を作成し、国際整合性を図るとともに、当局間の相互査察が進むよう活動を続けている。

 

加盟国

 

 2021年1月1日時点で、世界で54か国が加盟し、医薬品GMP分野における国際標準となる枠組みとなっている。

 

 日本は、厚生労働省、医薬品医療機器総合機構(PMDA)及び各都道府県とともに、2014年7月から加盟している。

 

PIC/Sの意義

 

 PIC/Sは、GMPの分野で共通の基準を設け、各国の査察官にトレーニングの機会を提供することによって、世界中の査察基準を整合させることを目指している。

 

 加盟当局間の協力関係を強化し、GMP基準の国際化を推進するものではあるが、法的な拘束力はない。よって、守らなくても罰則等はない。

 

 しかし、グローバル基準を整合させることによって、

 

 

 ・新薬承認期間の短縮

 

 ・公的機関の査察の免除

 

 ・Double Standardの解消

 

 ・グローバル化の推進

 

 ・経費の削減

 

 ・使用者の保護・安心・安全性の確保

 

 

 等のメリットが大きい。

 

日本初の総会が富山県で開催

 

 PIC/S総会とセミナーが、2019年に初めて日本(富山県)で開催された。

 

 PIC/S総会とセミナーでは、国内外の「医薬品の製造及び品質管理(GMP)査察担当者」が集まり、無菌医薬品の品質保証をテーマとするワークショップ等が開かれた。

 

 

医薬品製造の基礎知識

 

 日本で行われた総会では、2020〜2021年のPIC/S議長にアイルランド医療製品規制庁のAnne Hayes氏が選任されたほか、データの信頼性確保や製造設備共用のリスク評価・管理に関するガイダンスの検討状況などについて報告された。

 

 またセミナーでは、国内外から約150人の医薬品GMP査察担当者が参加して、無菌医薬品の品質保証をテーマにビデオ演習などのワークショップが行われ、参加国・地域のGMP査察能力の向上につながると好評を博した。

 

 PIC/Sセミナー2019(富山)の成功は、PIC/SにおけるPMDAの地位を向上させ、技術的な知見の蓄積及びPIC/S加盟当局としての貢献度の両面で一目置かれる存在になった。

 

 

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