業務停止命令の期間が最長180日間に

業務停止命令の期間が最長180日間に

 

 ジェネリック医薬品(後発薬)メーカーで不正が相次いだことを受け、厚生労働省が医薬品医療機器法(薬機法)に基づく業務停止命令の期間を、最長110日間から180日間に引き上げた。

 

 

医薬品製造

 

 薬機法に基づく業務停止命令は「国と都道府県」が出すことができる。

 

 業務停止日数の上限引き上げとあわせて、全都道府県で基準の平準化も図り、全ての都道府県で適用する。

 

悪質な事例が相次ぐ

 

 厚労省医薬・生活衛生局監視指導・麻薬対策課は、2016年に当時最長となる110日間の業務停止命令を国から受けた化血研以降も、小林化工や日医工など、「法令遵守意識が欠如している極めて悪質な事例」が相次いだと指摘。

 

 国会や医療関係団体からは、「業務停止命令日数が十分ではないのではないか」との指摘も相次いでいた。

 

処分基準の要件の明確化・厳格化

 

 厚生労働省は、法令遵守体制の強化と再発防止の観点から、処分基準を見直し、新たに「医薬品医療機器等法に基づく業務停止命令等取扱規則」を制定した。

 

 行政処分は、違反態様の悪質性、結果の重大性、有責性を基本事項として判断するが、新たに「組織的違反行為、信頼失墜行為等に対する処分規定」を加える。

 

 

 

【業務停止命令に関する判断基準】

 

1. 行政処分の実施にあたり、以下の要素を基本事項として判断。

 

@違反態様→違反態様の悪質性を違反事実ごとに検討。

 

A結果の重大性→保健衛生上の危害発生、医療機関の診療行為への影響の程度。

 

B有責性→役員又は責任者による違反行為への認識、組織的な行為か、隠蔽の有無等。

 

2. 上記の基本事項に加え、以下の要素を考慮。

 

@主たる違反以外にも複数の法令違反があるか。

 

A医薬品の品質、安全性に対する国民からの信頼が失墜させられたか。

 

B違反内容の医療機関等への情報提供や、回収等措置が適切であったか。

 

C過去に薬機法違反による処分歴があったか。

 

 

 の要素を考慮する。

 

 社内での自己点検の結果、違反内容を把握し、自主申告を行った場合、軽減措置を講ずることも盛り込んだ。

 

 新基準は2021年8月1日に施行した。

 

 

「医薬品医療機器等法に基づく業務停止命令等取扱規則」の制定についてはこちら

 

 

厚生労働省発表の「プレスリリース」はこちら

 

 

厚生労働省発表の「概要」はこちら