MR(医薬情報担当者)の仕事

営業職とMR(医薬情報担当者)の違い

 

 ・製薬会社の営業職は、製薬会社の営業を担う。

 

 新製品を含めて自社商品を卸業者や小売店に売り込むのが仕事である。

 

 とくに定着した消費層がない新製品は、的確な販売戦略のもと、少しでも多くの消費者を獲得するのが使命である。

 

 ・MR(医薬情報担当者)の役割は、医療機関を訪問し、ドクター、薬剤師など医療従事者への情報提供や情報収集することである。

 

 厚生労働省の省令に「医薬情報担当者とは、医薬品の適正な使用に資するため、医療関係者を訪問すること等により安全管理情報を収集し、提供することを主な業務として行う者をいう」と定められている。

 

 MRは、自社製品に関する完全性や有効性、的確な使用基準などを医師や薬剤師などに伝える。

 

 つまり、MRは最新医薬情報の媒介者であり、病院や実験室に閉じこもっている研究者にとっては第三のスタッフなのである。

 

MRは業界の認定資格が必要

 

 MRは薬剤師の資格が不要だが、ドクターの薬物治療パートナーとして適切な情報提供を行えるだけの医薬品の専門知識が必要である。

 

 そこで1997年から、厚生労働省認可の公益財団法人MR認定センターが毎年認定試験を実施しており(MR認定試験)、試験に合格して300時間の基礎教育と150時間の実務教育を受け、MRとして6ヶ月の実務を経験した人にはMR認定証を発行している。

 

 MR認定試験は6科目あり、これまでの平均合格率は80%程度である。

 

 また、MRは薬剤師の資格が不要のため、実は薬学部以外の人の就職が多いのが特徴である。

 

MRの仕事

 

 仕事内容は、医師や薬剤師等の医療従事者に対して、自社または業務委託された企業の医薬品の有用性・安全性・副作用情報・効能や効果といった情報を提供することである。

 

 MRは、医薬品のスペシャリストとして病院などの医療現場に情報を提供する。よってMRの仕事は、医師と会うことから始まる。

 

 しかし、新しい医療情報を提供するからといって簡単にアポイントメントをとれるほど、医師に時間があるわけではない。

 

 

医薬品業界

 

 まずMRは、医師とコネクションをつくることが仕事である。

 

 ただ、MRがコネクションをつくる為、医師に過剰接待することが問題となった。

 

 そこで、製薬業界は医師との適切な関係を定めたガイドラインを作成した。医師との会食に5000円までと上限を設け、ゴルフ接待を禁じた。

 

 どのようにして医師と接触を図るのか。各社とも、頭を悩ませている。

 

ネットで情報提供

 

 医師と接触を図るのが難しいなかで、インターネットを使用した情報提供が利用を伸ばしている。

 

 ウェブ・アプリで利用できる「MR君」は、登録した医師がサイトを訪れると、製薬会社ごとに新薬を説明する動画を閲覧できる。

 

 

医薬品業界

 

 無料なので、国内医師の7割以上が登録し、多く製薬会社がサービスを利用している。