医薬品製造に関わる基礎知識をまとめて紹介します。医薬品をつくるうえでの用語をまとめました。
PMDA | 独立行政法人医薬品医療機器総合機構「Pharmaceuticals and Medical Devices Agency」は、厚生労働省所管の独立行政法人である。その業務には、医薬品の副作用などによる健康被害救済業務、医機法に基づく医薬品・医療機器などの審査関連業務、医薬品や医療機器などの安全性を確保する安全対策業務及び情報提供業務(審査報告書、添付文書情報等提供)を行っており、日本独自のセーフティトライアングルと呼ばれている。 |
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FDA | 「Food and Drug Administration」の略で、米国食品医薬品局をいう。保健福祉省に属する機関であり、食品、医薬品、生物学的製剤、医療機器、化粧品、動物用医薬品、動物用飼料、放射線を発生する製品等についての業務を行っている。 |
PIC/S | 「Pharmaceutical Inspection Convention and Pharmaceutical Inspection Co- operation Scheme」の略で、医薬品査察協定及び医薬品査察共同スキームのこと。EUのGMPは、PIC/SのGMPガイドラインに基づくものである。 |
GMP | GMPとは「Good Manufacturing Practice」の略で、製造所における製造管理、品質管理の基準のこと。原材料の入荷から製造、最終製品の出荷にいたるすべての過程において、製品が「安全」に作られ「一定の品質」が保たれるよう定められている。 |
GCP | GCPとは「Good Clinical Practice」の略で、医薬品の臨床試験の実施に関する基準のこと。臨床試験を実施するに当たって、守るべき基準をいう。 |
GLP | GLPとは「Good Laboratory Practice」の略で、医薬品の安全性試験の実施に関する基準・前臨床段階での動物を使用した安全性試験を実施するに当たって、守るべき基準をいう。 |
GQP | GQPとは「Good Quality Practice」の略で、製造販売業者に係る製品の品質管理基準のこと。その内容は、製造販売業者が製造業者の製造所における適切な製造管理及び品質管理の実施を確保するための取決めや管理監督の方法等である。 |
GSP | GSPとは「Good Supplying Practice」の略で、医薬品の供給及び品質管理に関する基準のこと。医薬品の保管や出荷、配送にあたって、温度、湿度、日光等の影響により品質が損なわれないよう、品質の安定を守るための基準。 |
GVP | GVPとは「Good Vigilance Practice」の略で、製造販売業者が行う市販(製造販売)後製品の安全性確保措置等の製造販売後安全管理の基準のこと。 |
GXP | GXPとはGMP、GLP、GCP、GVP、GQP等の総称。 |
SOP | SOPとは「Standard Operating Procedures」の略で、日本語にすると、標準作業手順書と呼ばれる。SOPは現場の実態作業を詳しく書いた書類といえる。SOPの内容については、各社独自の手順で良いとされている。 |
DQ | DQとは「Design Qualification」の略で設計時適格性確認のこと。設備、装置又はシステムが目的とする用途に適切であることを確認し文書化すること。 |
IQ | IQとは「Installation Qualification」の略で据付時適格性評価のこと。据付け又は改良した装置又はシステムが承認を受けた設計及び製造業者の要求と整合することを確認し文書化すること。 |
OQ | OQとは「Operational Qualification」の略で運転時適格性確認のこと。据付け又は改良した装置又はシステムが予期した運転範囲で意図したように作動することを確認し文書化すること。 |
PQ | PQとは「Performance Qualification」の略で性能適格性評価のこと。設備及びそれに付随する補助装置及びシステムが、承認された製造方法及び規格に基づき効果的かつ再現性よく機能できることを確認し文書化すること。IQとOQ、又はOQとPQを同時に実施することもある。 |
PV | PVとは「Process Validation」の略でプロセスバリデーションのこと。設定パラメータ内で稼働する工程が、設定規格及び品質特性に適合した中間体・原薬を製造するために効果的かつ再現性よく機能できることに関する文書による確証である。つまり、実際に生産してみて、その製品の品質でプロセスの適格性を確認すること。 |
WHO | 世界保健機関「World Health Organaization」の略で、保健衛生向上のための国際協力を目的とする、国連の専門機関のひとつ。感染症対策、衛生統計の集計、医薬品や食品添加物等の安全評価等の事業を行っている。また、医薬品GMPの実施を加盟各国に勧告しており、日本の医薬品GMPもWHOのGMPに基づくものである。 |
QMS | 「Quality Management System」の略で、品質に関して方針及び目標を定め、その目標達成するために、組織を指揮し、管理するためのシステム。 |
QA | QAとは「Quality Assurance」の略で品質保証のこと。 |
QC | QCとは「Quality Control」の略で品質管理のこと。 |
QS | QSとは「Quality System」の略で品質システムのこと。 |
QRM | QRMとは「Quality Risk Management」の略で品質リスクマネジメントのこと。 |
TOC | TOCとは「Total Organic Carbon」の略で全有機炭素のこと。有機物の総量を炭素量として求める方法。 |
CAPA | CAPAとは「Corrective Action & Preventive Action」の略で是正処置及び予防処置のこと。不良・不適合の原因を取り除く措置と、不適合の再発の原因を取り除くための措置。医薬品業界でもCAPAの概念が品質の改善に重要なものとして導入されている。 |
OOS | OOSとは「Out of Specification」の略で規格外試験検査結果のこと。公定書、または社内で定められた許容基準の外側となった試験結果。もし、最終製品の試験結果の分析結果が「不適」と判断されれば、そのロットは廃棄されることになる。 |
OOT | OOTとは「Out of trend」の略で傾向外試験結果のこと。OOSに対して、OOTは試験結果が規格外にはならないが、それまでに得られている試験結果の傾向から外れていることを意味する。どちらの場合も試験結果の逸脱となる。 |
FMEA | FMEAとは「Failure Mode and Effect Analysis」の略で欠陥モード影響解析のこと。製品及びプロセスの持っているリスクを、主に製品設計段階及びプロセス設計段階で評価し、そのリスクを可能な限り排除又は軽減するための技法。ICHQ9 でもリスク評価の方法として推奨されており、製薬企業でのリスクアセスメントで広範囲に利用されている。 |
MSDS | MSDSとは「Material Safety Data Sheet」の略で化学物質安全データシートのこと。化学製品を安全に取り扱うために必要な情報提供及び、化学製品に係わる事故を未然に防止することを目的に、製品の供給事業者から取扱事業者へ、該当製品ごとに配布する説明書のこと。 |
ICH | ICHとは「International Council for Harmonisation of Technical Requirements for Pharmaceuticals for Human Use」の略称で、医薬品規制調和国際会議のこと。ICHは、医薬品規制当局と製薬業界の代表者が協働して、医薬品規制に関するガイドラインを科学的・技術的な観点から作成する国際会議で、他に類がない場となっている。 |