医薬品製造に関わる基礎知識をまとめて紹介します。医薬品をつくるうえでの用語をまとめました。
安定性試験 | 一定の流通期間内における製品品質の変化を確認するために行う試験。 |
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クオリフィケーション (Qualification) |
施設、設備機器が仕様どおりであることを確認し、これを文書することをいう。また、広義には原材料や作業者、作業の方法や手順が適格であることを検討し確認することが含まれる。 |
検体 | 試験検査を行うため、選定したロットから必要な量を採取し保存するもの。 |
参考品 | 市場への出荷後の不具合等、将来品質を評価する可能性に備えるための分析試験用のサンプル |
保存品 | 市場にある製品との同一性を確認するためのサンプル |
工程管理 (工程内管理) |
製造工程をモニターし、必要な場合には調整するため、また中間体、中間製品又は製品がその規格に適合することを保証するために、製造中に実施する確認。 |
工程能力 | 当該製品の要求事項を満たす製品を実現する工程の能力。 |
再現性 | 異なる条件下で同一の均質な試料から得られた同等なサンプルについて、それぞれ試験を行ったときの試験方法の精度。 |
試験室 | 試験を行う部屋、施設を意味する。 |
試験法 | 日局参考情報「分析法バリデーション」では、一般試験法及び医薬品各条における試験方法、例えば、純度試験、定量法等を意味する。試験法には、資料の採取方法、規格値、分析法等が含まれる。 |
実生産規模での確認 | 医薬品のバリデーションにおいて、当該製造所の構造設備等を用いて、個々の設備、工程、中間製品及び製品の品質等が、期待されている結果を達成していることを、実生産規模で製品を製造(原則3ロット)することによって確認することをいう(バリデーション基準)。予測的バリデーションの実施項目のひとつである。 |
重要工程パラメータ | 工程パラメータのうち、その変動が重要品質特性に影響を及ぼすもの、したがって、その工程で要求される品質が得られることを保証するためにモニタリングや管理を要するものをいう。 |
重要品質特性 | 要求される製品品質を保証するために、適切な限度内、範囲内、分布内であるべき物理学的、化学的、生物学的、微生物学的特性又は性質をいう。一般に原薬、添加剤、中間体、製剤に関連する。 |
洗浄バリデーション | 製造に用いる設備や器具等の洗浄作業を対象とするバリデーション。承認された洗浄手順により、医薬品の製造に適切な設備が準備されることについての文書による証明とされている。 | スワブ | 洗浄のバリデーションにおいては、設備の洗浄の評価等のため、指定された場所を拭き取ることで試料を採取する方法。 |
代替法 | 医薬品の試験において、承認書等に記載の試験法と同等かそれ以上の真度及び精度があるとして、用いることができる試験法。 |
バリデーション | 医薬品GMP等では、製造所の構造設備並びに手順、工程その他の製造管理及び品質管理の方法が、期待される結果を与えることを検証し、これを文書とすることをいう。 |
定期的な再バリデーション | 医薬品のバリデーションにおいて、工程の性質や製品の品質への経時的な影響を定期的に再確認するために実施するバリデーション。 |
バリデーションマスタープラン | PIC/SのGMPでは、バリデーション業務を適格に遂行するために、その事業者の全体方針、意図及び取組みをまとめた文書をいう。 |
ハザード | 品質リスクマネジメントに関するガイドラインでは、危害の潜在的な原因をいう。 |
有効成分 | 単体で又は1種類以上の他の成分と組み合わせて、ひとつの医薬品の意図された作用を起こす物質。 |
不純物 | 医薬品中に含まれる物質のうち、原薬、有効成分又は医薬品添加物として定義される物質以外の物質。有機性不純物、無機不純物、残留溶媒等がある。 |
リスクマネジメント | 危険性の管理。製品に由来する危害についての残存する危険性が、許容される範囲内にあると判断されるように危険性を管理すること。 |
クレーム | 製品や作業の品質がユーザーの期待する水準を下回って不満を感じ、その程度が我慢の限界を超えた場合に、ユーザーが生産者に申し出る苦情を指す。 |